病院メッセージと底つき

ある精神病院のアルコール病棟。

あるAAグループが病院との間の窓口を担当しているAAメッセージ活動に参加した。

この病院でのAAメッセージは数カ月ぶり。

あれ? 以前にもお会いしたよな? という患者さんが何人かいらっしゃった。

詳しい事情は知らないが、再入院したのだ。

再発(というか、再飲酒)を繰り返してもおかしくない、というのがアルコール依存症の特徴。

だから、まあ、よくあること、でやりすごしたし、当の患者さんのことを思えば、そういうふうにやりすごすしかないのだが...


この業界では、再飲酒も再入院も、ある程度はしかたがないことだ、と捉えられている。

「またやっちゃったんだね」(ハハハ)
「すみません、またやっちゃいました」(ハハハ)

こういう会話がわりと普通に交わされる。


当たり前のこと(だと私が考えること)をいわせてもらえば、

「再発(再飲酒)も再入院もしないほうがいい」

のだがね。

もちろん、他の人のことは私個人ではどうすることもできないし、私自身だって再飲酒や入院をいつするか分からないのだが、それでも、

「しかたのないことはしかたのないこと」

ということよりも、

「再発(再飲酒)や再入院はできるだけしないほうがいい」

ということを、より強調したメッセージをすることをこころがけたい。


なぜなら、再発(再飲酒)や再入院を繰り返す人をみていると、そのたびに、ほとんど確実に、精神的にも肉体的にも社会的にも症状や状況を悪化させてしまっているように思えるからだ。

業界で言う「底つき」なんて、浅くてすむなら浅いまま済ませたほうがいいに決まっているのだ。

「(酒をやめるのは)(自助グループにつながるのは)(再スタートをきるのは)遅すぎることはない。しかし、早ければ早いほどいい」

これに尽きる、と、病院メッセージを終えて改めて思った。