病院メッセージの効果01

私は精神病院(アルコール病棟)への入院経験がない。
だから、病院メッセージをする資格はない、と、それが当たり前だ、と、思っていた。
ハハハ......



AAミーティングに通いはじめて半年以上経過したころ、某精神病院で行われるレクリエーションに参加にした。
そのレクリエーションの後、病院メッセージがあることを教えられていた。
病院メッセージとはいったいどういうものなのか興味があったので、傍聴するつもりでいた。

開始直前になって、AAメンバーの一人が、司会進行役の隣の空いている席を指差しながら、私を呼んだ。
え? いいのかな? と思いながら、その席に座った。

病院メッセージが始まった。
私は、自分が話す順番になるまでの間、極度に緊張していた。
何を話せばいいのか、まるっきり分からなかった。

他のメンバーの多くは、その病院に入院したことがあった。
そして、入院した当時のことを話していた。
それが、まあ、よかったのかもしれない。
自分の順番になったとき、とりあえず開き直ることができた。
開口一番、「私は入院経験がありません」と言った。

それでも緊張はほどけなかったのだろう。
何をどう話したのか、よく憶えていない。
入院経験の有無はともかく、そんな状態のままでいながら、病院メッセージに参加してよかったのかと、今でも疑問に思う。

しかし、それが始まりだった。


断るまでもないだろうが、私の場合、だ。